「あ。これ、ザックスがいつも使ってる香水?」 今日はなにもしないと約束をさせた上で一緒のベッドに入ったクラウドは、ベッドサイドの小さなローテーブルの上に置いてある小さな小瓶を見つけた。 綺麗な形の瓶に入っているのは色のついた液体で。 あまり香水といった類を使わないクラウドでも、それが香水だということはすぐにわかる。 ザックスが瓶を手に取って渡してやると、クラウドはそれを繁々と眺めはじめた。 吹き出し口に鼻を近づけて匂いを嗅ごうとしている姿を見て、思わずザックスは笑みを漏らす。 「そんなことしてないで、つけてみればいいのに」 「え、でも…」 「いいからいいから」 瓶を再び自分の手に取ると、プシュッとクラウドの手首に液体を吹きつける。 その手首から漂ってくる匂いに、クラウドは首を傾げた。 「なんか…ザックスの匂いなんだけど、自分からすると変なカンジ」 「そうかぁ?」 ザックスとしてはクラウドから自分と同じ香水の匂いがすると自分のものだと主張しているような気がして嬉しいのだが、クラウドからするとこれはザックスの匂いだと思っているので不思議な気分になる。 もちろん不思議というだけで嫌だという思いはないのだけれど、違和感だけはどうしようもない。 厳密に言えばザックスからの移り香でクラウドからザックスと同じ香水の匂いがしていることがある。 しかし、それはザックスやクラウド以外の誰かが気付くのであって匂いに慣れきってしまっている二人には滅多に気付くことができない事実。 つまりカンセルあたりに言わせると今更、なのだが。 「やっぱりこの香水、俺はいいや」 「じゃあさ、今度クラウドの好きそうな香水探しに行こうか」 「えっ」 「中にはさ、別々の香水なんだけど匂いが混ざると別の匂いになるってヤツもあるんだぜ?」 使わないからいらないというクラウドを説き伏せながら、次の休みには外でデートをしようとザックスは計画を立てるのだった。 2013.02.06. |
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